ライカ Leica R8/R9用フォーカシングスクリーン 
           および
ライカ Leica R8/R9 DMR用フォーカシングスクリーン
R0:2002.02.10;  R1:2002.04.08; R2:2002.05.02  
R3:2002.05.07;  R4:2002.05.08; R5:2003.10.08  
R6:2008.02.17;  R7:2008.02.23
文責:あまのたいら(写友名)/大竹良秀
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1. ライカR8/R9用フォーカシングスクリーン:Talbergスクリーンとミノルタα−9用スクリーンの改造スクリーンについて
1.1 概要
 R8/R9用のスクリーンとしてLeica社が用意している「純正」スクリーンは5種類ありますが、正直に言って、いずれもMFカメラとして十分に使いやすい(=ピントを合わせやすい)とは言い難く、R8を使用しはじめた頃の筆者は、風景や草花撮影ではOKでも、R50/1.4やR80/1.4でポートレートを撮った場合は、ピンぼけを量産していました。最初は自分がR8に不慣れなだけだろうと思いながら試写を繰り返しましたが、niftyやweb、雑誌記事を調べているうちにそれだけではないように感じられたので、他ボデー用スクリーンをいくつか削って試しましたが、なかなか実用には至らずにいました。そうしている間に、谷山直樹さんによりコンタックスRTSV用のTalbergスクリーンというものが開発され好評を博していることを知りました。 R用も是非にと期待しているうちに、Ver.2としてR8、R7他の数機種用が期間限定受注生産されることになり、それを知ると同時に発注し、約5ヶ月後にめでたく入手することができました。
 (これについてネタをあかせば、niftyでe-mailアドレスが公開されていた見ず知らずの谷山直樹さんに、筆者が止む止まれない気持ちで、手元のR8・R7・ズミルックスR50/1.4・同R80/1.4を必要期間無償貸与することを前提に、R8、R7/R6.2用Talbergスクリーンの制作をお願いしたところ、同氏が快くお引き受けくださった というのが発端でした。)
 
1.2 効果
 使った結果は期待をはるかに上回るもので、大口径レンズを絞り解放で撮影した場合でも合焦率が飛躍的に向上しました。Talberg 未使用時: 15〜30%、使用時: 65〜75%、完全静止被写体なら 85%以上で、ソフトフィルター使用時でもピント合わせが容易です。 ただしこのスクリーンは、開発者自身が「50/1.2、85/1.2、85/1.4などの大口径レンズ用に開発したもので、周辺光量落ちも大きい」と言われているとおり、f2.8より小口径のレンズにPLフィルターを装着して風景撮影などで使うには辛いところがあります。

 Talberg スクリーンの発表と前後して、ミノルタα-9用の M型やML型スクリーンを加工すればR8に使えることを知り、試作しテストしたところ結果極めて良好でしたので、現在は大口径レンズによるポートレート撮影等には Talbergスクリーンを、それ以外にはML型改造スクリーンを使用するケースが大半です。 

1.3 具体例
 参考までに、以下にこの2つのスクリーンの外観写真と、純正グリッド(注1)、Talberg、ML型改造の3つのスクリーンのファインダ画像を示します。またこれらスクリーン画像との比較のため、R80/1.4で撮影した写真をスキャンした画像を示すとともに、下記2により筆者が作成したML型改造スクリーンを装着したR8とR70-180/f2.8によるピントテスト写真(Lサイズ同時プリント)のスキャン画像を示します。

 ファインダ画像はすべてニコン クールピックス990デジタルカメラをR8のファインダ接眼部に密着して撮影したものです。一見するだけで、大口径レンズ使用時のR8のピント合わせが Talbergスクリーンにより極めて容易になることを納得できるでしょう。ML型改造スクリーンもR8純正グリッドよりは大幅に改善されます。同一スクリーンを大口径レンズとf2.8以下の中小口径レンズや風景撮影で共用するには、ML型改造スクリーンの方がおすすめです。
 外観写真のように、どちらのスクリーンも純正スクリーンにある突起を形成しなければピントがでませんので、筆者は niftyの情報から、Talberg スクリーンにはコニシボンドクイック5を、ML型(M型、M2型でも同様)にはセメダイン EP001を使い、形成しました。 ML型スクリーンは難接着プラスチック製なので、突起の形成にはやや手間取ります。

 Talberg スクリーンはR7、R6.2用も開発・発売されましたが、効果はR8用と同一です。R8用も含めてすでに生産・販売完了になっていますので、入手するには次回の発売に注意している必要があります。R7、R6.2にML型を改造して使うのは、取り付けに独特の形の爪が必要なので極めて困難です。 谷山直樹さんはTalbergスクリーンのため専用の取付金具を設計・開発し、この問題を解決していました。

(注1) ここでの「純正」は「ライカ社がR8やR7などのためにオプションとして用意したものを含めた」という意味です。「これらのボデーの工場出荷時にセットされている」スクリーンはスプリットイメージマイクロプリズムマットスクリーンです。

  

スクリーンの外観 R8+R50/1.4のファインダ画像
R8純正GD    Talberg ML型改造
R8+R80/1.4のファインダ画像
R8純正GD    Talberg ML型改造
 R8+R70-180/2.8によるML型改造スクリーンのピントテスト結果
R8+R80/1.4による撮影結果
full画像    中央部画像

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2.ミノルタα−9用スクリーン改造方法
 上に述べたα-9用M、ML、M2スクリーンをR8用に改造する方法を経験にもとづき記載します。以下の記述うちの2.1-2、-3、-5、-8の部分は、表現は異なりますが内容的にはniftyPC通信FPHOTOHフォーラムのコンタックスコーナーで紹介されていたものとほぼ同一です。 2.2-7の部分は、FPHOTOHでは簡単に述べられていましたが、ここでは実作業に基づき詳細に記述しました。
 必要なものがそろい、改造作業に着手してからスクリーンが完成するまで(工程1〜7)の総作業時間は各工程がすべて1度で済んだ場合で2〜 2.5時間、接着剤の硬化時間を含めた総所要時間は24時間程度でした。

 なおここに記載した方法により、ご覧になった方が行ったことやその結果について、筆者は何らの保証もいたしませんし、何らの責任も負いません。 あしからずご了承下さい。

2.1 準備するもの

表2−1
 品    名 数量 用 途 / 留 意 点     1個の市価
1 ライカR8用純正スクリーン これを元に、これから製造すべきスクリーンの寸法、形状を正確に把握する。 いわば基準品。
(R8用純正品をボデーから取り出す)
2 ミノルタα-9用M、ML、M2スクリーン 最低1 これをR8用に改造する。 素材。 おすすめはML型です。
なおML型に関わらず、素材として適したスクリーンは入手困難になってきているようです。
4,000円
3 セメダインEP001接着剤 α-9用スクリーンを研削した後、R8用純正スクリーンの短辺にある「突起」を形成する。補助材料。
小さな突起なので、5gで十分。
700円
4 耐水性サンドペーパー 
240〜300番程度と1000番程度
各1 これでα-9用スクリーンを研削する。
240〜300番は荒削り、1000番は仕上研削用。
100円
5 つまようじ
数本 研削したα-9用スクリーンに、このつまようじでEP001接着材を微量ずつ盛り上げて突起を形成する。
6 ノギス
ライカR8用スクリーンの寸法を測定する。
素材および研削中のα-9用スクリーンの寸法を測定する。
1/10mmまで正確に測定できるもの。
1,000円
7 良く切れるカッターナイフ 形成した突起の仕上げ、はみ出たEP001の削り取り 300円
8 樹脂製のピンセット 1 完成した改造スクリーンをR8に装着する。
α-9用スクリーンを改造して作ったスクリーンには爪がないのでそれをR8に装着するときにこれでつまむ。
500円
9 3×4cm、10×10cmくらいのアクリル板
3×4cmの代りに要らなくなったスクリーンでもよい 
各1 小さい方:α-9用スクリーンの研削練習、
大きい方:改造スクリーンに「突起」形成する作業の練習。

後になってもっと練習しておけばよかったと思いまし
た。
300円
10 小皿に入った水 少量 α-9スクリーンをサンドペーパーで研削するとき、そのサンドペーパーをこの水で湿らせながら作業する。
研削作業中に素材についた研削カスをすすぎ落とす。
11 作業台、下敷き用紙、メモ用紙など  
作業台は、デスク、食卓、ちゃぶ台などでよい。
下敷き用紙は厚手の宣伝ちらし、B4のPPC用紙など。
12 作業用ゴム手袋 素材のα-9用スクリーンに誤ってキズ、指紋等をつけないようにするため。薄いもの。 300円


  
2.2 作業手順

表2−2−1
工    程 作 業 内 容 注 意 点 
1 R8用スクリーンの寸法測定
記録、形状把握
R8用純正スクリーンを取り出し、ノギスで縦、横、
突起を除いた厚さを測定し、記録する。
突起を含めた厚さを測定し、記録する。
よく見て、R8用スクリーン完成品の形状を明確に認
識する。
なおR8用純正スクリーンについている「爪」は改造
スクリーンにはなくなります。
1/10mmまで正確に測定する。
突起の大きさ、付いている面、位置に注意
約24.9×37.4×1.5ミリのはずです。
突起込みの厚さは2.0ミリ、従って突起の高さは0.5ミリです。
2 α-9用スクリーンの寸法測定
・記録
ノギスで素材のα-9用スクリーンの、爪部分を除い
た縦、横、厚さを測定し、記録する。
1/10mmまで正確に測定する。
約26.0×37.9×1.5ミリのはずです。
3 α-9用スクリーンをどのよう
に研削するかを把握する。
1、2の2つのスクリーンと測定結果を見て、α-9用
スクリーンをどのように研削すればよいかをしっか
りと頭に入れる。
 
4 α-9用スクリーン研削の練習 研削練習用アクリル板を使い、次の工程5の1.〜7.
に準じてα-9用スクリーン(素材)の研削練習をする。
工程5 のコツがわかるまで
上にも書きましたが素材用スクリーンが入手困難になっています。失敗の可能性を減らすには「練習第一」です。

5


α-9用スクリーンを研削する

0.素材をうっかり傷つけないよう、指の爪を短めに
 切っておく。

1.作業台に、小皿に入った水を用意する。

2.作業台に下敷き用紙を敷き、その上に荒い方(例
 えば240番)のサンドペーパーを用意し、水で湿ら
 せる。

3.α-9用スクリーン(以下素材という)のエッジ部
 分を親指と人差し指でつまむように持ち、素材の
 爪の部分をサンドペーパーで研削する。
 このとき 素材の焦点面やその裏面には極力手を
 触れない様に注意し、素材の爪がついているエッ
 ジ面をできるだけ水平に動かすようにする。
 研削作業中にサンドペーパーにカスがたまってき
 たら、作業を中断し水道水で洗いおとす。
 素材についた研削カスは小皿の水で軽くすすぎ
 とす。

4.純正スクリーンの横幅に合わせて、荒いサンドペ
 ーパーで素材を研削する。
 → 素材の短い方の面を研削する。

 このときのコツは
 短い方の面2つを交互に研削する。
 まず1つの面について:
 素材をできるだけ垂直に保ちながら、研削面をサ
 ンドペーパーの上で水平に擦り滑らせるように、
 力を一定に加えつつ往復させ、研削する。
 20〜30回ほど往復させたら素材を前後逆に持ち替
 え、同様に20〜30回往復させ研削する。

 次にいま研削した面の対面について:
 同様に研削する。

 サンドペーパーや素材についたカスは、3.と同様
 に軽く洗浄する。
 このようにして短い方の面2つを研削したら、ノ
 ギスで寸法を測定し、所定の寸法にどこまで近づ
 いているか確認する。

 所定の寸法より0.2mm大きい位になるまで、以上
 の2つの面の交互研削を繰り返す。

 所定の寸法より0.2mm大きい位まで研削できたら
 数回〜10回の往復運動毎に持ち替え、反対面の研
 削、寸法測定を行うようにし、両面を均等に、且
 つ削りすぎて所定の寸法より小さくしないように
 細心の注意を払いながら作業する。

 所定の寸法より0.1mm程度大きいところまで研削
 できたら素材の短い方の面の研削は終了です。

5.純正スクリーンの縦長に合わせて、荒いサンドペ
 ーパーで素材を研削する。
 → 素材の長い方の面を研削する。

 4.と同様に研削する。
 所定の寸法より0.1mm程度大きいところまで研削
 できたら素材の長い方の面の研削は終了です。

6.素材を仕上げ研削する。
 荒削り用サンドペーパーの代わりに水で湿らせた
 仕上用サンドペーパーを用意し、4.、5.で研削し
 た 4つの面を、各面数回ずつ研削する毎に持ち替
 え、寸法測定しながら、所定の寸法に研削する。

7.最後にエッジの部分を研削する。
 R8のスクリーンをよく見て同様に研削する。

8.仕上げ研削が終わった素材スクリーンを流水で洗
 浄する。
 筆者はまず流水で研削カスを洗い流し、次にレン
 ズ拭き用ミクロクロスで流水中でごく軽く拭きな
 がら洗いました。

9.洗浄した素材スクリーンを乾燥させる。
 毛羽立たないキッチンペーパーなどで軽く挟んで
 水分を吸い取る。

 埃をかぶらないようなところで自然乾燥させる。












































仕上げたときの縦横どちらかの寸法が所定の寸法より0.3mm以上小さかったら実用にならない可能性大。
削りすぎないよう細心の注意を払いながら作業する。























このときこするとスクリーンに傷が付く。
かるく挟むだけにする。







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表2−2−2
6 突起形成の練習 次の工程7の1.〜5.に従い、研削したα-9のスクリー
ンの代わりに、突起形成練習用アクリル板を使い純正
スクリーンにある突起の形成練習をする。
失敗の可能性を減らすには「練習第一」です。
7 突起形成 1.下敷き用紙の上に工程5で研削したα-9用スクリー
 ンを、突起形成面を上にして置く。
2.爪楊枝を3、4本すぐ使えるように用意する。
 先を「−ドライバ」のように削っておく。
3.セメダインEP001(2液式)の各液を付属の混合板に
 同量ずつ絞り出し、へらで手早く混合する。
 速乾性なので一度に混合する量は綿棒の頭ほどで、
 片方の突起毎に混合し直す方が作業性が良いでしょ
 う。

4.混合した4・5分後に、EP001を爪楊枝の先で微量す
 くい上げ、爪楊枝の先を下にして10〜20秒ほど持
 ち、爪楊枝の先のEP001を落ち着かせる。

5.研削したα-9用スクリーンの突起形成位置の片方
 に、爪楊枝の先のEP001を盛りつける。
 要領は、垂らすようなつもりで且つ軽く触れるよう
 なつもりで。1つの突起を1回より、2〜3回で盛り
 つけるようにする方が巧くいくでしょう。
 盛りつけ後すぐ平らにすると、盛りつけたEP001が
 型くずれし、スクリーン面の方に広がるので、少し
 斜めにし20〜30分ほど放置する

6.もう片方の突起を、3.〜5.により形成する。

 純正品の突起の厚さ(注2)は0.5ミリほどですが、
 1mm程度になっても問題はありません。
 高さは0.5mmほどですが、盛りつけた突起が高すぎ
 た場合や、スクリーンからはみ出たEP001は、硬化
 後(24時間後)、刃先を折ったばかりのオルファな
 どの良く切れるカッターナイフで削り取ります。

7.埃をかぶりにくい位置に放置し、EP001を硬化させ
 る。丸1日放置する。

8.硬化したら、形成した突起の高さをノギスで測り、
 純正スクリーンのそれより高ければカッターナイフ
 で少しずつ削りとり、ほぼ純正品と同程度にする。
 なおスクリーンのピント面は上=突起の反対側で、
 R8に装着したスクリーンは枠でペンタプリズムに押
 しつけられる恰好になるので、突起の高さに多少誤
 差があってもピントは出ます。

硬化と突起の高さの調整が終わればα-9用スクリーン
の改造は完了です。

念のため工程8によりピントテストをしておきます。

(注2)ここでの突起の厚さとは、それのスクリーンの
   縁からスクリーンの内側方向への寸法のことで
   す。
 









4.混合したあとすぐは、接着剤が柔らかすぎて、たれやすく形崩れしやすいので、少し硬化するのを待つ。

R8のスクリーンをよく見て、突起を形成する面を間違えないように注意。

ボデーに装着したとき、ピント面は上側(ペンタプリズム側)、突起形成面は下側(枠に接する側)です。





























8 完成したスクリーンのR8への装着、
ピントテスト
1.R8から純正スクリーンを取り外す。
2.完成したスクリーンをR8に装着する。
 用意しておいた樹脂製のピンセットで、ピント面を
 上にして、装着する。
3.30cm位の定規など、自分がファインダでピントを
 合わせた位置と、撮影結果を見たときにピントが
 合っている位置がはっきりわかる被写体を用意し、
 テスト撮影をする。

R8純正スクリーンに比べてピントの山が良くわかり、
ピント合わせが大変容易になるはずです。
また巧くできていれば80/1.4のレンズで絞り解放、
距離1.5m 程度の場合、まさにドンぴしゃで合焦する
はずです。

作業工程5で削りすぎると、R8のスクリーン枠内で、
スクリーンのピント面がペンタプリズム面と平行にな
らないため、ファインダの中心ではピントが出ても、
左右や上下では出なくなります。

研削が不足していたり、エッジがうまくとれていない
と、枠内に収まらないため装着できません。 無理に
装着すると、ペンタプリズム底部を傷つけたり外せな
くなります。

 
  


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3 ライカ DMR(Digital Module for Leica R)用フォーカシングスクリーン
3.1 概要
 DMR用スクリーンとして ライカ社が供給している純正スクリーンはフィルムボデー用と同一タイプの5種+方眼スプリットイメージマイクロプリズムマットの計6種です。DMRの製品箱に標準品として同梱されていたのは「スプリットイメージマイクロプリズムマットスクリーンにDMR用の視野枠を印刷したもの」でした。DMR用方眼マットスクリーン(:グリッドスクリーン)も入手し、試用して見ましたが、フィルム以上に厳密なピント合わせを要求されるDMR用としては筆者にとってどちらも満足できず、とりあえずこれまで使用してきた上記のR8フィルムボデー用方眼Talberg(Ver.2)スクリーンに、自分でDMR用視野枠をマークして使うことにしました。
 
 「白い紙の上にDMR用純正スクリーンを置き、その視野枠をまねて、R8用方眼Talbergスクリーンに定規と極薄に削った鉛筆でDMR用視野枠をマークする」 だけのことでした。その結果は、視野率:左右約88%、上下:96%といささか情けない結果でした。それでも好都合なことに、DMRのファインダーはレンジファインダー機同様に実撮影領域の周囲の部分も見え、実撮影領域は「覗けばわかる」ので、そのまま使うことにしました。
 さらに好都合なことに、DMRの視野枠はフィルムの約73%(1/1.37)のため、フィルム撮影では難があったTalbergスクリーンの周辺光量落ちの部分を使わずにすみ、f2.8より小口径のレンズでもTalbergスクリーンを使い易くなりました。

3.2 TalbergスクリーンへのDMR視野枠の再マーキング、ピントテスト
 DMR入手後、それによるほとんどの撮影にこの"diy"方眼Talbergスクリーンを使ってきましたが、「覗けばわかる」とは言いながら、実際の撮影結果では、フレーミングに思わぬズレが生じていたり、ピント精度が気になるケースが出ていましたので、筆者にとってシーズンオフのいま(2008.02)の間に、DMR視野枠の再マーキングとピントテストを行うことにしました。 その結果は、「視野率ほぼ100%」となり、ピントも「全く問題なし」を確認することができました。

 再マーキング方法は比較的簡単でした。
1 B4の1mm方眼紙の周辺部に鉛筆などで数個の枠を描く。
2 その方眼紙を、DMR+マクロレンズなどの歪曲収差が極めて少ないレンズで撮影する。
このときのDMRのファインダー画像を、目で覗いたようにコンパクトデジカメで撮影する。
3 2つの撮影画像をA4の紙に並べて印刷・比較し、現用Talberg2スクリーンの視野枠をどうマークし直せば適切な視野枠になるかを認識し、その適切な視野枠をこの印刷したファインダー画像に追記する。
4 現用Talberg2スクリーンのこれまでの視野枠を消しゴムで消し、別の1mm方眼紙の上にそのTalberg2スクリーンを置き、方眼紙の目盛を参考に、3で追記したとおりに定規と鉛筆で新しい視野枠を書き込む。



DMR用Talbergスクリーンの視野枠
と撮影結果 〜 最初のマーク分


同 〜 再マーク後 DMR+Talbergスクリーンによるピントテスト結果

 今回の改良により、DMR用のフォーカシングスクリーンとしてはほぼ満足できるものとなりましたが、光量が少ない時間帯でのPLフィルターを使用しての撮影などには、「暗すぎてピント合わせ困難」となるケースも予想されます。手元にはまだ5枚のα-9用ML・M2スクリーンがありますので、その一つを削ってDMR用スクリーンを作っておこうと思っています。

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